ストーリー紹介



夏がまた来る。


国崎往人がバス停から降りるとそこは田舎ともいえる程の町並みだった。

波の音・・・潮の香り・・・。

海が近い。

ここまで来た理由はただひとつ。

『翼を持つ少女を救うこと』

その少女を探し出すため旅を続けていた。

それが国崎往人の使命。代々受け継がれてきた『夢』


旅の友として歩いてきたモノがある。これも受け継がれてきたモノ。

それは継ぎ接ぎだらけの人形。

そしてもうひとつ、彼には独特の力があった。

『法術』

人形を糸も使わず動かせる力。その力が導くものとはいったい何なのか。


「人形を動かして金を稼ぐ」

大道芸に似たようなものだが、彼の力ではまだ人形で子供達を笑わせることさえできなかった。

金がない国崎は腹減りのあまり海の堤防でいつの間にか眠ってしまっていた。

そして起きてみると、そこにはまるで空を飛んでいるかのように手を広げ

潮風を受けながら髪をなびかせている少女がいた。

彼女の名前は「神尾観鈴」

人懐っこくしゃべりかけ無邪気に笑う少女との出会い。

それをきっかけにこの街での生活が始まる。


この街で出会う少女達と国崎が織り成す物語。

運命を辿りながら、穏やかな日常はただ刻々と過ぎていくのみ。

その先に待っているものとは・・・・?




どこまでも続いていく青空に、ひとりの少女が悲しみを抱え今でも空を飛んでいる。