ちょびっツを観て



おすすめ度 : ★★★☆☆ BY/ZERO


- A -

『幸せの形』ってどんなものだろう、と考えさせられたアニメでした。


パソコンである「ちぃ」を好きになり、そして彼女を選んだ本須和君ですが、パソコンである以上子供を産めないなど様々な障害があります。

しかし、そういった行動だけが幸せを呼び起こすものではありません。

とっても大切なこと、それは


「一緒にいたい」


という気持ちです。


私にとって唯一のもの、他の何物にも代えられない世界でたった1つだけのもの。


しかし、現実社会においてそのものを見つけることはかなり難しいですし

気持ちも時間が経つにつれて薄らいでいくという事例がほとんどです。

結婚しているのに浮気をしてしまう、最初は幸せだったのに・・・などなど。

こういったギャップがあることはとても悲しいことです。


どうすれば、このようにならないような人間関係を作れるのか?

それは、それぞれの人によって答えは違ってくるでしょう。


ただ、これだけはいえます。


『幸せの方程式なんて存在しない』


- B -

そして、もうひとつ思ったこと。

人はどこまでモノに対する思い入れがあるのだろうか?ということである。


そんなパソコンができれば確かに、お手伝いロボットにもなってくれるし、人より計算は速いし間違えることもないでしょう。

しかし、それが恋愛対象になってしまったら・・・。


そんな人がたくさん増えていけば、裕美ちゃんが言ったように


「人と人が一緒にいられなくなっちゃう」


という状況が訪れてしまうことでしょう。


そんな心配をしなくてもパソコンが人型をして、しかも感触も同じなんていう世界なんて絶対来ない。

と本当にそう思えるでしょうか?


人は全ての欲望に対して前向きです。


時代の流れと言うものなのでしょうか?人は少しでも自分の欲望を満たせないと感じると自分は不幸だと感じてしまう。

これを社会学的に言えば『アノミー的』と言います。

そして、それは実際に増えているのです。

もし、家族を持つのであれば、もっとわかってくれる妻がいい夫がいい、そんな欲望はいつしか自分が作り上げてみせる

という野望に打てかわっていくものではないでしょうか?


そして、ついにそんなパソコンができた。起動させた。さて、どれだけあなたはそのパソコンを大事に扱えますか?

誰もが本須和君のようにパソコンの痛みをわかってあげられるような人であれば、きっとパソコンも幸せでしょう。


技術革新の末、電化製品が常に進化を続けています。

そのなかで忘れているものはありませんか?


まだ、使えるのに捨ててしまう。

少しでも便利にしたいから古いものなんておかまいなしに捨ててしまう。


人のために作られ頑張ってきたのにいきなり捨てられてしまったかつての電化製品

加えてそのほかの商品もあることを忘れないでください。


別に新しいものに買い換えるなと言っているのではありません。

捨てるときくらい


『いままで、ありがとう』

という気持ちを伝えてあげることが、モノにとって一番幸せなことではないでしょうか?