第45話『幻覚に踊るウッソ』


エンジェルハイロウが完成間近であるためカガチはマリアにテスト運転を促しキールームへと足を運ばせた。

敵地リガミリティアにどれほどの影響をもたらすのかを調査するためゾロアット3機が出撃。

ウッソはこのエンジェルハイロウの波動をもろにくらってしまう。

感受性豊かなニュータイプだからこそ余計に衝撃を受けるのでしょうか?

激しい頭痛に見舞われながらかつての残像が脳裏に映し出されていく。それはエンジェルハイロウがつくりだす幻覚だった。

父や母と一緒にいた頃の思い出。

シャクティの水浴びシーンなど。

それは地球で生きてきた平和な日常。

そういったなかからウッソはひとつの真実を悟っていく。

『本当は戦いなんてしたくない』

それでも先程のゾロアットの攻撃にあいV2で出撃していく。


真実を『嘘』というベールに隠しながら。


頭痛は薬で抑えていたがそれでも幻覚が止まらない。

しまいには今戦っていることさえも忘れてしまい、いきなりオデロやトマーシュに「地球へ帰ろう」と言い出してしまう。

しかしゾロアットが攻撃をしかけてきたのを機に我に返る。

「騙されるもんか!これは現実なんだろ!?」

平和へと導こうとするマリアは幻覚を背に戦うウッソに反応し闘争本能を忘れさせるためさらに強度を増していく。

シュラク隊のメンバーの死。

「だからこそ!!!」

ウッソはただひたすら叫ぶ。かつてカテジナに聞かれた戦う理由がこの後に続くのでしょう。もうだれも殺させやしない。

続けざまにシャクティが戦火の中必死に種を埋めようとするシーンやジュンコの死

オリファーがモトラッド艦に特攻していくシーンが思い出されていく。

「みんな死んじゃう!」

だれも殺させやしない。言葉で言うのは簡単だが、そう誓っても散っていく魂は減ることはなかった。

ウッソとマリアの精神戦も終盤に差し掛かっていく。

敵機のゾロアットを操縦しているのがクロノクルとカテジナにみえてしまう。

そんなカテジナにウッソが求めていたもの。

それは窓から空を見上げ物思いにふけ、ウッソがその姿を盗み見るのを笑っているだけのウーウィッグのカテジナに対する憧れである。

しかしそれを幻覚のカテジナは「男のロマンスに付き合ってられないのよ!!」と激しく批判。


そんな精神攻撃を受けている最中、どこからともなく歌が聞こえてきた。

光の翼がそれに反応しウッソも正気に戻り、ゾロアットを軽く撃破。

そしてその歌はエンジェルハイロウのマリアにも届いていた。


「シャクティのひなげしの歌が聞こえた」